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アイビスSD 今年は“風”がポイントでした


先週から始まった新潟開催。開催初週のメインレースはサマースプリントシリーズ3戦目、新潟名物の直線1000Mレース、G3第19回アイビスサマーダッシュです。

ご存知でしょうが現役時代の僕は、このコースがとても好きでした。
観客としては先行馬同士の駆け引きや差し・追い込み馬の猛追などがあまり見られず、あまり面白いとは言い難いと思いますが、実際に乗っていると短い時間の中にレースの様々な要素が凝縮されていて大変楽しいものです。


今回は戦前より1番人気になるだろうライオンボスが、2002年カルストンライトオが叩きだした53.7秒のレコードを上回って勝つのではないかと噂されていました。

ライオンボスは春の新潟で直線1000Mを2連勝、タイムも54.1秒と53.9秒。ちなみに53.9秒は2004年にカルストンライトオが2度目の勝利をあげたときの勝ちタイムと同じです。春の新潟は夏とは馬場状態が違って少し時計がかかることを考えると、春にこれだけの好タイムで勝っているのだから、開幕週のパンパンの馬場で行われる今回はいよいよレコードを更新するのではないかと注目していました。

ところが当日は強い向かい風。当然、馬の走りに影響があるでしょう。またライオンボスの鞍上が、直線1000Mを2連勝している鮫島騎手の落馬により急遽田辺騎手に乗り替わるアクシデントもありました。

ただ、鞍上に関しては、慣れた騎手から替わるのはマイナス面もありますが田辺騎手の腕なら全く心配はないし、直線レースにおいてはスタートさえ出遅れなければ誰が乗ろうがそれほどレース運びに差はないと思います。

なのでライオンボスが本命として勝つ可能性は変わらず高く、あとは勝ちタイムがどれほどのものなのかに関心をもって観ました。


レースはスタートから良いダッシュ。6枠11番は外寄りの枠とはいえまだまだ外には他の馬がいるため、どう乗るのかと思っていたら、僕が2002年に勝った時と似た騎乗でした。

僕のときは11頭立ての5枠5番なので今回18頭立ての11番枠ライオンボスとは外側の頭数はほぼ同じ。その時と同じように田辺騎手もスタート直後から外ラチ沿いを一直線に目指しコース取りをしました。

後方の馬に対し進路妨害しないよう後ろを確認しつつ外へ出して、ラチ沿いを走る。先頭に立ってからは大して焦りを感じることなく馬なりのまま脚をためている様子。これが最後の踏ん張りにつながったのでしょう。そつのない乗り方でした。そして持ちタイムがあらわすとおりの馬の持つスピードを生かしてそのまま逃げ切り。

勝ちタイムは55.1秒。やはり強い向かい風と、前走より3キロ増の負担重量も響いたのか少々動きが鈍く感じられましたが、鞍上がうまく勝利へ導きました。


2着は3番人気カッパツハッチ
前走の春の新潟直線1000M、韋駄天Sでライオンボスに敗れての2着でしたが54.0秒の好時計で駆け抜け、今回も有力候補でした。鞍上の丸山騎手はレースでは勝ち馬をぴったりマークし、相手はこの馬ただ1頭という決め打ちの乗り方。目標とする馬が自分のすぐ右斜め前にいるのは、田辺騎手の手応えや仕掛けのタイミングなどがリアルタイムで目に入り、それに合わせて瞬時に自らも馬を動かしていけるメリットがあります。

丸山騎手にとってはマッチレースのようで乗りやすかったのではないでしょうか。馬の適性による差で敗れはしましたが、人気馬に騎乗する騎手として良い仕事ができたと思います。


今年のアイビスSDは、全体的にスピード感が感じられない流れでした。それだけ向かい風の影響が大きなレースだったということでしょう。

一見、全ての騎手が余裕をもってスムーズな追走をしているように見えましたが、じつは彼らにしてみたら全然前へ進んでいかない感覚に襲われていたのかもしれません。良馬場でレースの上がり33・0秒は、過去のアイビスSDをみてもかなり遅いのでは。風がレースに及ぼす影響の大きさをあらためて感じさせられました。



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