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『青春の輝きをいつまでも』


【2013年 レパードステークス】

 2歳7月、早くもデビュー戦を迎えたインカンテーション。ただし、中京の芝1400mは後方のまま、15着に敗退した。秋の京都も芝1200mを5着。芝1600mも8着と振るわない。当時の状況について、羽月友彦調教師はこう振り返る。
「もともと牧場の自信作でした。母の仔はみなダートで活躍。2シーズン目の父だったとはいえ、産駒のデータも把握していましたよ。ただし、若駒のころは華奢なライン。入厩後も頼りなく、パワー不足に映りましたね」
 母オリジナルスピン(その父マキアヴェリアン)はイギリスで2勝。同馬の兄姉にソルモンターレ(3勝)、ヒラボクビジン(4勝)らがいる。曽祖母のタイムチャーターが英オークスなどGⅠを4勝した名牝。砂巧者を量産しているシニスターミニスターが配されて誕生した。
 やはり砂巧者の血筋。阪神のダート1800mであっさりと差し切った。8着、4着と前進し、昇級3戦目の沈丁花賞を勝利。伏竜S(4着)や御嶽特別(3着)でも見せ場をつくり、濃尾特別に完勝。精神面の幼さが薄れ、レース運びに安定味が加わってきた。  1番人気を背負い、レパードSへ。ここでも好位追走がかなったうえ、しっかりと脚をためられた。直線で先頭に躍り出ると、後続に2馬身半の差を広げ、悠々とゴールに飛び込んだ。
「手がかからない優等生。調教は地味でも、真面目に走ってくれます。経験を積むごとに力を付け、ようやく秘めていた闘志が噛み合うようになりました」
 3歳秋も、みやこSを2着したが、本格化したのは4歳時だった。BSN賞、ラジオ日本賞、みやこSまで3連勝。翌冬は東海Sに3着したうえ、フェブラリーSも2着に健闘する。平安Sに逃げ切り勝ち。しかし、左トモの球節に亀裂骨折を発症し、8か月のブランク。さらに一戦したのみで、骨盤に骨折線が確認された。9か月半もレースから遠ざかる。
「しばらくレース感を取り戻せずにいましたが、復帰3戦目にはマーチSで一変。まさか勝ち切るなんて、正直、びっくりしました。衰えるどころか、すっかり体調が安定。追い切りでも見違えるほど動けている。一番充実するはずのタイミングを逃して悔やんでいたのに、こちらが勇気付けられました。1800m以上だと、どこかで折り合いが怪しくなりますので、マイルはベストの条件。それでも、かしわ記念を2着して、もう強さは本物だと実感しました。山あり谷ありの競走生活。懸命な姿に頭が下がります」
 7歳になって、驚異的なV字回復。白山大賞典を押し切ると、武蔵野Sも鮮やかに抜け出す。翌シーズンもフェブラリーS(3着)、かしわ記念(3着)、プロキオンS(2着)と健闘を続けた。
 以降は状態が整わず、チャンピオンズC(13着)がラストランとなったが、青春期の輝きだけでなく、年齢の常識など打ち破り、神秘的な力を発揮したインカンテーション(呪文、呪術の意味)。コパノリッキー、サウンドトゥルー、アウォーディーがいるハイレベルな世代にあって、異彩を放つ実力派だった。
 


第5回レパードステークス(GⅢ)
1着インカンテーション 牡3 56 大野拓弥 羽月友彦
2着サトノプリンシパル 牡3 56 蛯名正義 矢作芳人
3着ケイアイレオーネ  牡3 56 幸英明  西浦勝一

 単勝  380円
 枠連  650円
 馬連  780円
 馬単 1,390円

3連複  1,320円
3連単  4,970円




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