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『未来への扉を開ける黄金の鍵』


【2005年 クイーンステークス】

 トップクラスを相手に息長く善戦を繰り返し、多くのファンを魅了したレクレドール。G1の勲章は手にできなかったが、6歳春に中山牝馬S(10着)でラストランを迎えるまで23戦連続して重賞に挑んでいる。
 ゴールドのようなファミリーにあって、フランス語で「黄金の鍵」と名付けられたプリンセス。白老ファームが誇る名繁殖のゴールデンサッシュ(その父ディクタス)に、日本競馬を一変させたサンデーサイレンスが配されて誕生した。母の全兄はサッカーボーイ(阪神3歳S、マイルCS)。ドバイシーマクラシックや香港ヴァーズに優勝したステイゴールドは、同馬の全兄にあたる。
 若駒当時はデリケートな心身に配慮され、ノーザンファーム空港で大切に育てられた。栗東に入厩したのは3歳の1月。調教で目立った動きは見られなかったものの、3月の阪神(芝2000m)でデビューすると、ハナ差の2着に追い込む。2戦目の同条件は大外を回るコース取りが響いて3着。続く京都の芝1800mで順当に初勝利を収めた。
 オークスにも登録したが、抽選でエントリーはかなわなかった。同週の自己条件に再投票する。ただし、追い切り後に右肩に筋肉痛を発症したため、出走を取り消すことに。いったん近郊のグリーンウッド・トレーニングに移動して態勢を整え直した。
 この休養により、ひと回りたくましくなり、飼い食いの細さも改善される。秋の飛躍を夢見て札幌競馬場に渡り、8月の芝1500mで2勝目をつかむ。最後方から一気に突き抜けた脚は、着実な成長を物語るものだった。滞在中にもう一戦をこなす予定だったが、除外されて栗東に戻った。
 ローズSは単勝12・1倍の5番人気。高いハードルかと思われたが、勝負どころでは有力馬を射程に入れて進出を開始する。目を見張る鋭さを発揮し、測ったように差し切りを決めた。だが、以降の6戦は善戦止まり。もどかしい歩みを、ステイゴールドと重ねて評されることも多くなった。
 4歳夏も札幌へ。クイーンSに向かう。陣営の見込みどおり、滞在が合い、洋芝への適性も高かった。ハイラップを刻む先行勢を見て、絶好の4番手を進む。4コーナー手前ではスパート。早め先頭に立ちながら、追われるごとに粘り強く伸びる。後に札幌記念、天皇賞・秋と連勝するヘヴンリーロマンスをハナ差だけ退け、歓喜のゴールに飛び込んだ。
 初めてコンビを組んだ蛯名正義騎手も、こう非凡な性能を称える。
「いつもより前目でとの指示。とても乗りやすかったし、勝負どころでの反応は想像以上だった。最後はぎりぎりだったけど、いい勝負根性があり、負ける気はしなかったよ」
 結局、これが最後の勝利となったが、5歳時も同レースを3着した後に連闘で札幌記念に臨み、アドマイヤムーンの2着に健闘するなど、確かな実力を示している。
 ステイゴールドが種牡馬として成功するとともに、姉妹のグレースランド(ドリームパスポートやフロンティアの母)、キューティゴールド(ショウナンパンドラの母)らも豪華に枝葉を広げつつある。同馬の産駒からもベルーフ(京成杯)が登場した。偉大な兄によく似た個性であり、一族を代表する名牝だけに、これからも優秀な遺伝子を後世へと伝えていくに違いない。
 


第53回クイーンステークス(GⅢ)
1着レクレドール    牝4 55 蛯名正義 池江泰郎
2着ヘヴンリーロマンス 牝5 55 松永幹夫 山本正司
3着チアフルスマイル  牝5 55 横山典弘 池江泰郎

 単勝  1,300円
 枠連  2,260円
 馬連 22,270円
 馬単 41,900円

3連複  37,220円
3連単  311,380円




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