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『世界に名を轟かせた鋼のファイター』


【2015年 共同通信杯】

 ノーザンファーム空港での育成当時も、俊敏かつパワフルな動きを披露していたリアルスティール。満を持して、2歳11月、栗東へ移動した。2度目のチャレンジでゲート試験を合格すると、1本目の追い切りから抜群の反応が目立った。
 担当した柿崎慎調教助手は、入厩当初より性能の違いを感じ取っていたという。
「まだトモが緩く、全身を使えない状況でしたが、背中の感触が柔らかくて。ディープ産駒としては馬格があり、非凡なパワーも伝わってきましたよ。走る馬に共通する我の強さがあっても、センスは上々。速いところへいけば、素直に反応でき、ひと追いごとの進歩が明らかでした。これは底知れないと思わせましたね」
 稀代のスーパーホースであり、スタリオン入りしてからも日本競馬を牽引するディープインパクトが父。母ラヴズオンリーミー(その父ストームキャット)は未出走だが、その半姉が全欧2歳牝馬チャンピオンに輝いたランプルスティルツキン。曽祖母ミエスク(全欧古馬チャンピオン、全欧3歳牝馬チャンピオン、米芝牝馬チャンピオン、キングマンボらの母)に連なる名牝系である。同馬の全兄がラングレー(6勝)。プロディガルサン(東京スポーツ杯2歳S2着、東京新聞杯2着)は全弟にあたる。サンデーサラブレッドクラブにて総額8000万円で募集された。
 阪神の新馬(芝1800m)を3馬身半差の楽勝。いきなり高いハードルを乗り越え、共同通信杯では重賞ウイナーに輝く。スタートして外へ逃げる若さを見せながら、直線は余裕の手応えで馬群を割り、後に皐月賞に勝つドゥラメンテの猛追を半馬身、退けてゴール。2戦目にしてクラシック候補に躍り出た。
 スプリングS(2着)はクビ差だけ届かなかったが、経験を積ませる意味での参戦。皐月賞も2着に敗れたとはいえ、好位を巧みに折り合い、いったん先頭に立った。
「最後に舌を出してもたれながら、ダービー(4着)もよくかんばっています。レース中、左前に軽い骨折を発症した影響があったはずなのに。神戸新聞杯(2着)から行きたがる面を見せ始めましたが、距離が延長された菊花賞(2着)もわずかクビ差。勝ち切れないのがもどかしくても、その都度、能力に自信を深めていました」
 中山記念(3着)をステップに、ドバイターフへ。力強く脚を伸ばし、念願のG1制覇がかなった。果敢に世界へ挑んできた矢作芳人ステーブルにとっても、初となる海外での栄光だった。
「出国前の検疫馬房で落ち着きを失い、飼い食いも落ちて心配したのですが、休み明けを使って状態は上向き。きちっと調教を積んで現地へ移動させました。馬が少なく、エアコンも完備された環境。到着後はむしろ堂々としていましたよ。やるべきことをできた満足感があり、馬もしっかり応えてくれた。すばらしい巡り会いに感謝するしかありません」
 前半で折り合えず、安田記念(11着)を11着。天皇賞・秋ではモーリスの2着に食い下がる。ジャパンC(5着)、中山記念(8着)と歩み、再びドバイに渡ったが、外傷性の鼻出血を発症。秋緒戦の毎日王冠を貫録勝ちし、鬱憤を晴らした。
 5歳時の天皇賞・秋は4着、翌春のドバイターフも3着に健闘する。しかし、安田記念(15着)がラストランとなった。右前の種子骨靭帯に炎症が認められ、種牡馬入りした。
「成績が上下動した一因は、輸送してのイレ込み。いつも鞍を置くのに苦労しました。ようやくどっしりし始めた矢先でしたし、まだまだ成長する余地を残していましたね。それだけに、早すぎる引退が悔やまれます。でも、一緒に戦えたのは、生涯忘れられない貴重な体験。誇りに思いますよ。非凡なポテンシャルがストレートに伝われば、きっと大物が登場するはず。子供たちを手がけ、また大舞台に立ちたいと夢見ています」
 


第49回 共同通信杯GⅢ
1着リアルスティール 牡3 56 福永祐一 矢作芳人
2着ドゥラメンテ   牡3 56 石橋脩   堀宣行
3着アンビシャス   牡3 56 Cデムーロ 音無秀孝

 単勝  610円
 枠連  690円
 馬連  710円
 馬単 1,810円

3連複  2,380円
3連単  10,870円




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