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『敏腕ディレクターが惚れ込んだ名パフフォーマー』


【2016年 シルクロードステークス】

 3歳4月、ようやく栗東へ移動したダンスディレクター。6月の阪神、芝1400mに初登場すると、出負けしながらも次元の違う鋭さを発揮し、後続を3馬身半も突き放した。笹田和秀調教師も、確かな才能を感じ取っていた。
「当歳のころより整ったスタイルをしていましたね。ただ、小柄で繊細。常に全力を尽くそうとしがちな性格だけに、坂東牧場での育成は体の成長に合わせ、あせらず進めました」
 伊藤雄二厩舎で調教助手を務めたトレーナーにとって、愛着が深いファミリー。母マザーリーフ(その父サンデーサイレンス)は未勝利に終わったが、祖母スカラシップがウイニングチケット(ダービー)やロイヤルタッチ(皐月賞や菊花賞を2着)の妹にあたる。エクリプス賞最優秀短距離馬に輝いたアルデバランⅡが配され、同馬はマイル以下で頭角を現した。
 4か月の間隔を開け、京都の芝1600mもあっさり差し切り。続く1000万下の芝1400mはスムーズさを欠き、半馬身差の2着に終わったものの、ラストの伸びは一際光った。翌春も山陽特別(8着)、阪神の芝1400m(4着)と期待を裏切ったが、鷹ヶ峰特別(1着)では大外からラスト33秒2の上がりを駆使。鮮やかな逆転劇だった。
 切れ味が削がれる荒れ馬場にもかかわらず、知多特別を3着まで押し上げ、体力アップを示す。道中で行きたがったことに配慮し、さらに精神面のリフレッシュを図り、久多特別(2着)より再スタート。直線で猛然と追い込みながら、わずかハナ差だけ届かなかったとはいえ、前が残るスローペースに加え、トップハンデを背負っての結果だった。初めての1200mに対応して、11月の京都に快勝。醍醐S、長篠Sと僅差の2着を続け、斑鳩Sで順当にオープン入りを果たす。
「瞬発力は重賞レベル。もともと調教は動きましたが、体に芯が入り、力が要る坂路でもラストまでシャープに駆け抜けるようになりましたよ。なるべくテンションを上げないよう、休みを挟んでレースの苦しさを忘れさせながら、大切に使ってきました。気持ちのコントロールが利くようになれば、もっと強さが際立ってくると見ていましたし、少しずつ精神面が大人に。ゲートの遅さに関しては気にしていません。この血筋は真面目すぎる傾向にありますので、後ろから運び、脚をためるスタイルが合っているんです」
 京王杯SCは出遅れて12着に沈んだが、CBC賞で2着に反撃。軽い骨折を跳ね除け、阪神Cもハナ差の2着に追い込む。シルクロードSに駒を進め、ついに初のタイトルを手にした。好位のインでしっかり脚をためる正攻法のレーススタイル。6歳にして、いよいよ本格化してきた。
 ただし、全力を尽くした反動は大きく、深管に痛みを訴える。しっかり回復を待って再スタート。セントウルS(7着)や、スプリンターズS(15着)は流れに乗れなかったが、スワンS(4着)、阪神C(4着)と健闘を重ね、心と体が噛み合ってきた。本来の切れを存分に駆使し、シルクロードSを連覇。クビ差の辛勝だったとはいえ、スローペースを克服しての圧巻のパフォーマンスだった。
 ここで再度の骨折を発症。軽度だったものの、またしても高松宮記念へのチャレンジは断念する。セントウルS(3着)、スプリンターズS(8着)と歩み、阪神Cはわずかハナ差の惜敗。8歳時はシルクロードSをパスして高松宮記念に挑んだが、4着まで追い詰めたところがゴールだった。
 結局、京王杯SC(15着)がラストラン。敏腕ディレクターが描く長期的な未来図に沿い、奥深い輝きを放ったダンスディレクターだったが、なかなか状態を取り戻せず、年齢も考慮して種牡馬入りすることとなった。きっと産駒だちも、華麗なダンスを演じるに違いない。
 


第21回シルクロードステークスGⅢ
1着ダンスディレクター 牡6 57 浜中俊  笹田和秀
2着ローレルベローチェ 牡5 56 中井裕二 飯田雄三
3着ワキノブレイブ   牡6 55 小牧太  清水久詞

 単勝  440円
 枠連 2,210円
 馬連 2,440円
 馬単 4,290円

3連複  46,300円
3連単  161,190円




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