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『まばゆい輝きを放つ若き日の優勝レイ』


【2014年ホープフルステークス】

 トップサイアーのディープインパクトが父であり、もともとクラシック候補と見込まれた逸材だったシャイニングレイ。母シェルズレイ(その父クロフネ)はローズSやチューリップ賞を2着した。松田国英厩舎の調教助手だった当時、高野友和調教師が深い愛情を注いだ一頭である。
「きつい気性に邪魔されなければ、重賞にも手が届いたはずの母。この仔にはそんな難しさがなく、普段はとても穏やかでした。毛色やたくましいスタイルは叔父のブラックシェル(NHKマイルCを2着、ダービー3着)に似ていますね。ファミリーの長所とともに、ディープのすばらしさも受け継いでいます」
 と、トレーナーは同馬の長所を話してくれる。 1歳秋にOCD(飛節の離断性骨軟骨炎、簡単な手術で治癒し、競走に差し支える後遺症は残らない)の症状が見られたため、ノーザンファーム空港での調整はゆっくり進められる。立派な馬格を誇っていも、5月22日の遅生まれ。しばらくは内臓の弱さなども抱えていた。それでも、成長のスピードは急だった。9月に栗東へ移動し、ゲート試験をパス。NFしがらきでの放牧を経て、スムーズに出走態勢が整う。
「ディープ産駒らしからぬパワーにあふれ、初の追い切りでも動きすぎるくらい。ものの違いを感じていましたが、スタートの良さや操縦性など、実戦でも期待をはるかに上回る走りを見せてくれました。教えてできるものではなく、天性のセンスです」
 2歳11月、京都で迎えた新馬(芝2000m)は、2番手から余裕たっぷりに抜け出して3馬身半の差を付けた。そして、わずか2戦目にして重賞制覇。ホープフルSで見せた圧巻のパフォーマンスを忘れてはならない。スローの3番手で巧みに折り合い、あっさりと抜け出した。
「初体験の長距離輸送も難なく乗り越え、有馬記念当日の大観衆のなか、パドックを堂々と歩けました。弥生賞(7着)でも、馬場入りまではテンションが弾けることはなかったのですが。スタンド前でジョッキーを振り落とすシーンがあり、輪乗りに移ってもイライラしたまま。レースの前半からきつくハミを噛み、体力を消耗してしまった」
 いきなり精神面の課題を突き付けられる。常歩やハッキングは穏やかなのに、速いところでは燃えすぎるようになった。しかも、皐月賞を前に、右前の屈腱に炎症が認められた。2年間もレースから遠ざかる。
 脚元への負担を考え、仁川S(6着)で復帰。ダートでも、楽々とハナに立てるスピードは示した。福島民報杯(14着)は制御が利かずに失速したものの、距離を短縮して一変。好位追走からあっさり抜け出し、安土城Sで復活の勝利を飾った。
「放牧先のノーザンファーム空港やNFしがらきできちんとケアされ、慎重にステップを踏んだ成果です。感謝するしかありません。大型でも、案外、脂肪は付かないタイプ。改めて心臓の強さなど、性能の違いに感心させられました。折り合いを付けやすい条件へシフトしても、実戦となれば冷静さを欠きがち。もまれたりした際の不安が残りますので、馬の後ろで我慢させるメニューを繰り返し、操縦性の改善に取り組みましたよ」
 破格のスケールを改めて証明したのがCBC賞。スタートのタイミングが合わず、後方に置かれたが、ラスト3ハロン33秒2という驚異の末脚を駆使する。きっちり差し切り、2年6か月ぶりのタイトルを奪取する。しかし、以降も脚元の不安を抱え、阪神C(18着)、高松宮記念(12着)と歩んだところで引退が決った。
「あの仔のことは生涯忘れられません。本来なら、もっと輝かしい栄光をつかめたはずの器。申し訳ない気持ちは、ずっと晴れずにいます。多くのことを学びましたので、それをこの先に生かしていかないと」
 


第31回 ホープフルステークスGⅡ
1着シャイニングレイ 牡2 55 川田将雅 高野友和
2着コメート     牡2 55 嘉藤貴行 土田稔
3着ブラックバゴ   牡2 55 戸崎圭太 斎藤誠

 単勝   450円
 枠連  1,540円
 馬連  9,330円
 馬単 15,000円

3連複  76,660円
3連単  345,220円




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