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『自慢の末脚をいつまでも』


【2012年中日新聞杯】

 3歳1月に佐山優厩舎よりデビューし、4戦目となった京都(芝1800m)で初勝利を飾ったスマートギア。続く中京の500万下では、同日のオープン(白百合S)をコンマ8秒も凌ぐタイムを叩き出し、後方一気の差し切りを演じる。もともと鋭い決め手には、きらりと光るものがあった。
 調教パートナーを務めたのは、かつてはジョッキーとしてJRA通算410勝、シャダイソフィアで桜花賞を制した猿橋重利調教助手。出会った当初より素質に惚れ込んでいたいう。
「当初は腰が腰が弱くてね。2戦を消化したら反動が出て、レース間隔を開ける必要があった。それでも、調教では楽々と好タイムをマーク。だんだん体質も強化され、これなら秋には大舞台を目指せると自信を深めていたよ。でも、いったん置かれてしまうと、ハミを取らないんだ。ちょっとしたことで逃げようとしたり、何を考えているのかわからない面がある。馬っけも強くてね。なかなか集中できないのが歯がゆかった」
 サンデーサイレンスが送った一流馬であり、宝塚記念でG1勝ちを果たしたマーベラスサンデーの産駒。母は未出走だが、母スケアヘッドライン(その父パドスール)は未出走ながら、プレミアムボックス、インティライミ、アルバートなど、多数の重賞ウイナーを輩出しているファミリーの出身であり、同馬の半兄にワンモアチャッター(朝日チャレンジC)がいる。
 ラジオNIKKEI賞は痛恨の出遅れ。最後方から猛追し、コンマ1秒差(4着)でゴールした。目を見張る末脚を繰り出しながら、高千穂特別、玄海特別とも2着に惜敗。野分特別を順当に抜け出し、菊花賞(4着)へも駒を進める。
 展開に左右されながらも、準オープンは3戦目の晩春Sで突破。金鯱賞(5着)を経て、宝塚記念(8着)に挑んだ。連続して2着を重ね、京都大賞典も2着。もうタイトル奪取は時間の問題かと思われた。ところが、脚の使いどころが噛み合わず、結局、19連敗。その間も、鳴尾記念(2着)、京都金杯(2着)、金鯱賞(3着)、小倉記念(3着)、小倉大賞典(2着)と、あと一歩の惜敗を繰り返した。
 すでに7歳となり、上積みは薄いと判断され、中日新聞杯は単勝6番人気(13・7倍)の低評価に甘んじていたが、全力を尽くせなかったことが多いぶん、心身は若々しいままだった。いつもより前目の追走になってもスムーズに折り合え、直線の伸びも上々。あっさり抜け出すと後続にコンマ3秒の差を広げ、待ちに待った栄光のゴールを駆け抜ける。殊勲の松山弘平騎手は、こう晴れやかな笑みを浮かべた。
「開幕週の馬場を意識して、ポジションを取りにいきました。キャリアを重ねているだけあって、思い通りに走ってくれた。坂を上がり切ってからも、すばらしい反応。馬だけでなく、自分にとっても初の重賞勝ち。うれしくて仕方ないですよ。。巡り合いに感謝するしかありません」
 徐々に前向きな気持ちが薄れ、以降は10歳時の小倉大賞典(16着)まで18戦続けて未勝利。ただし、同馬の競走生活は、そこで途切れない。障害に転じ、翌秋の新潟では7馬身差の快勝を収めた。ラストランは通算59戦目となった秋陽ジャンプS(12着)。6勝に止まったとはいえ、その足跡は偉大であり、後世へも語り継ぎたいドラマに満ちている。
 


第48回 中日新聞杯GⅢ
1着スマートギア  牡7 56 松山弘平 佐山優
2着ダンツホウテイ 牡7 56 吉田豊  本田優
3着ダノンバラード 牡4 57 福永祐一 池江泰寿

 単勝  1,370円
 枠連  2,830円
 馬連  5,510円
 馬単 12,230円

3連複  6,690円
3連単  54,410円




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