平日コンテンツ

『しみじみ噛み締めるナイスな巡り会い』


【2014年 マーキュリーカップ】

 初勝利はデビュー5戦目となった阪神のダート1800mだったが、その後にターフを17戦消化したナイスミーチュー。3歳6月の京都(芝2000m)では500万下を卒業したものの、あと一歩で勝ち切れなかった。
 数々の名馬を育てた橋口弘次郎調教師にとっても、忘れられない一頭。こう感慨深げに振り返る。
「もともと期待が大きな馬だったからね。ラジオNIKKEI賞(4着)だって1馬身くらいしか負けていない。芝での出世を想像していたよ。長年、馬と向き合っていても、どこに転機があるのか、なかなかわからないもの。人生と同じだね。ひとつのことに固執していたら、チャンスを逃がすこともある。改めて、それを痛感させられたなぁ」
 ルーラーシップ、ロードカナロア、ホッコータルマエ、ドゥラメンテをはじめ、様々なカテゴリーに一流馬を輩出するキングカメハメハの産駒。母ローザロバータ(その父ファイアメイカー)はアメリカで重賞2勝を含む8勝をマークしている。同馬の半兄にスプリングSに勝ったフライングアップル(3勝)ら。セレクトセール(当歳)にて1億800万円で落札された。
 きっかけをつかんだのが5歳の2月。芝の適鞍が組まれていないタイミングだったことから、京都のダート1800mを試す。あっさり3勝目をマークした。
「芝では引っかかったりして、レース運びが不安定だったが、スムーズに追走。見違えるような決め手を発揮してくれた。正直、驚いたし、まだ半信半疑ではあったけど、あれで進むべき路線が決まったよ」
 昇級2戦目となる4月の阪神(ダート1800m)では1000万条件を突破。続く上賀茂Sも4着でまとめ、4か月間のリフレッシュを挟む。
「休養効果はかなり。トモに筋肉が乗り、ぐんとパワーアップした。常に活気にあふれている一方、いざとなって頼りなかった気持ちもしっかりしてきたんだ。差すスタイルは変わらなくても、集中力が高まり、いいポジションで流れに乗れるようになった」
 いよいよ晩生の血が騒ぎ出した。宮崎Sで3馬身差の快勝を収めると、シリウスSで初のタイトルを奪取。橋口師にとって、これが84勝目(JRAのみ)となる重賞の勲章だった。
「初のタイトルがダート変更になった京都牝馬特別(カルストンダンサー)だったのに、この路線とはあまり縁がなく、ユートピア(ゴドルフィンマイル、南部杯2回など重賞6勝)以来。貴重な勝利だっただけに、喜びは格別だった」
 長めの距離で持ち味が生き、6歳時には仁川Sに優勝する。平安SやシリウスSでも僅差の2着。改めて実力をアピールした。
 ハイライトは7歳になって臨んだマーキュリーC。前半からハイラップが刻まれ、レコードタイムでの決着となる。待機勢にも苦しい消耗戦のなか、力強く脚を伸ばし、きっちりと差し切りを決めた。
 だが、反動も大きく、左前に浅屈腱炎を発症。ノーザンホースパークで乗馬となった。まさにナイスな巡り会いだったと、ベテランも微笑むナイスミーチュー。名門の歴史に、斬新な彩りを添える実力派だった。
 


第18回マーキュリーカップ GⅢ
1着ナイスミーチュー 牡7 55 小牧太  橋口弘次郎
2着クリソライト   牡4 59 内田博幸 音無秀孝
3着シビルウォー   牡9 59 岩田康誠 戸田博文

 単勝  790円
 枠連 4,070円
 馬連 3,110円
 馬単 7,100円

3連複  8,390円
3連単  54,580円




Copyright © 2006 WORLD, Inc All Rights Reserved.
このサイトに掲載の記事・写真・映像などの無断複製、転載を禁じます。すべての著作権はWorldに帰属します。

前のページへ戻る

PAGE TOP